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「加熱式たばこエリア」導入で稼働増!? 〜東京都町田駅周辺エリア

『エルグラン町田店』

パチンコ、パチスロを遊技しながら加熱式たばこを吸える「加熱式たばこエリア」を設置するパチンコ店の増加傾向が止まらない。

とは言っても都道府県ごとにみるとまだまだバラつきが多く、東京都の111店(8月8日現在)に対し、2桁に満たない地域がほとんどだ。繁華街型やロードサイド型の違いはもとより、客層や店の構造などによってはあえて加熱式たばこエリアの設置にこだわらないとする考え方もあるのだろう。さらに「加熱式を優遇する加熱式たばこエリアの設置はむしろ不利」といった判断も働く。

若年男性は「加熱式たばこ」5割

東京都町田市にある『エルグラン町田店』は町田駅周辺地域における唯一の加熱式たばこエリア設置店。さらに同店はパチスロの低貸を置く唯一の店でもある。

2フロア構成の同店は、2階のパチスロフロアを加熱式たばこエリアに設定。加熱式たばこの愛用者向けにビニール製の携帯灰皿も用意した。2階はドアや間仕切りのないオープンフロアであり、パチンコフロアの1階と同じく2人用の喫煙ブースも完備する。

加熱式たばこエリア内の一画には「アイコス」の大きなポスターが貼りだされ、デイスプレイ用のテーブルにはパンフレットも置く宣伝スペースまで設けていた。まるで店をあげて紙巻きから加熱式への移行を促しているかのようにもみえたほど。

そんな加熱式たばこエリア内の稼働状況だが、他店にくらべて設置台数が少ない通常貸の客数はともかく、低貸は新型コロナの影響下にありながらそれなりの客付きだったと言っていい。

厚生労働省が本年1月に発表した「国民健康・栄養調査」の結果によれば、全喫煙者のうち、「加熱式たばこのみ」は男性で22.1%、女性では14.8%に留まる一方、20代~40代では男女ともに加熱式たばこの利用者が多く、男性にかぎっては20代~30代で5割を超えているという。

同店もこうした喫煙者の動向を踏まえつつ、加熱式たばこエリアを設置したものと思われる。しかし低貸パチスロの年齢層に関してはどうなのか。むしろ紙巻き派から反感を買う可能性も否めない。

効果見込める「加熱式たばこエリア」

ちなみに編集部では2019年3月14日にも同地の各店で稼働調査を実施している。『エルグラン町田店』におけるパチスロの合計稼働率は、あくまで瞬間風速的な数値なのかもしれないが、前回にくらべて7ポイントほど上昇している。

なおかつエリアナンバーワン稼働を誇る『PIA町田』のパチスロの稼働率は前回の調査より9.7ポイントのマイナス。パチンコも含めた5店の平均稼働率は前回が29.9%で今回は6.8ポイント低かった。やはりコロナ禍の影響がうかがえる。

このような状況で『エルグラン町田店』が今後も現状の稼働を維持できるのであれば、加熱式たばこエリアにも一定の効果があると言えるのではなかろうか。機種の選定や貸玉料の違いで競合他店と差別化を図りながら稼働がひまひとつ伸びない場合、加熱式たばこエリアの設置も検討してみる価値はありそうだ。

※本稿は2020年7月31日付け「日刊遊技情報」に掲載した記事をweb用に編集したものを掲載しております。


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