先日、あるセミナーをZoomで受講していました。すると、私たちの世代には懐かしい「煽りマイク」についてお話しになっていました。講座のテーマは「販促」で、よくよく考えてみれば、煽りマイクも一種の販促物のひとつだと思った次第です。
しかし最近のパチンコ店では、煽りマイクを実施しているところはほぼ皆無に近いのではないでしょうか。ただ、煽りマイクを現在実施すると、逆にお客様から「うるさい!」とクレームに発展してしまうのです。不思議な世の中になってしまったと感じる私は、今の世代のパチンコユーザーからは置き去りにされてしまうのでしょうか?
「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ、ジャンジャンバリバリ…」などと、パチンコ店内を開店から閉店まで彩っていた煽りマイク。私がパチンコを打ち始めた時には当たり前の存在でした。大当りする度に、または連チャンする度に台番とともに店員さんが気持ちよくあおってくれるマイクがうらやましく思えました。そして自分のところも大当りや連チャンする度に、あおってくれることが嬉しくなりました。その口上にも色々な名文句が存在し、歌詞でいうところの韻を踏んでいることもあって、勉強になりました。
そんな中、私はパチンコ店で働くことになりましたが、店の設置台数が徐々に大型化し、かつ営業形態も無制限営業が多くなり、煽りマイクの存在が次第に消えていくことになりました。煽りマイク全盛期ではないほどの勢いを落としたマイク案内をしただけでも、ちょっとしたクレームに発展してしまいます。やはり煽りマイクは、台数的にもせめて200台以下の小さなパチンコ店で存在意義を示すことができそうです。
最近においてその煽りマイクを体感できるのは、「ゲームセンタータンポポ」「神田センター」「岐阜レトロミュージアム」などのレトロ台ゲームセンターに限られてしまいます。煽りマイクを知らない皆さんは、ぜひともそのゲームセンターで体感をしてほしいものです。
煽りマイクを例えるならば、競輪や競馬などのレース実況に近いのかもしれません。パチンコ・パチスロは基本的に1人で打っていますが、自分自身との戦いでもあるし、他のお客さまとの戦いでもあるかもしれません。特に相手には対抗の意思を示してはいませんが、煽りマイクであの台が出ていると教え、自分の台が出ていると示してくれていることで見えない相手との競争心や射幸心も湧いてきます。
そのことから、煽りマイクとは「活きた販促物」と考えています。普通の販促物は、例えば新台入替とか次の企画とかおすすめ機種などを知らせていますが、煽りマイクもその時の状況を教えていて、店内を盛り上げてくれるツールなのです。現在ではうるさい販促と考えるかもしれませんが、何らかの形で復活してほしいパチンコの中の文化ではないでしょうか。
(文:ヨッツマングローブ)
パチもスロも版権物が主流でファンも付きやすい状況では音楽とか声とかが聞こえにくくなるものはすべて邪魔
マイクパフォーマンスしたがために客が減る可能性すらある
朝一から並んで期待値だけ取れればいい人種なら喜ぶかもね