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【金丁回顧録#2】袴釘のズレがパチンコの面白さを引き出す

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三角形の各辺のピッチを合わせるという、地味ではありますがとても重要な釘整備の練習を習得して、次は袴(ハカマ)釘の調整方法を教わる事になりました。

この袴というゲージ構成の箇所は、現在の遊技機ではあまり使われなくなったのですが、ハネモノ全盛期の時代はとても重要な入賞口で、整備技術を習得するのは必須項目でした。

袴釘というのは袴状の釘配列の下部に始動口が配置されており、この袴全体と始動口の位置は左右どちらかにずれているのが普通です。この袴と始動口のずれによってスランプを作り出し、入賞率のバランスがとられてました。もしこの袴と始動口のずれが無かったらどうなるかというと、ただ単に甘いだけではなく、開け閉めの整備が利かないとても厄介な存在になります。ですから、このズレがあるおかげで多様の整備方法が存在し、どういった形にすると客付きが良くなるかという試行錯誤の楽しみも与えてくれるのです。

袴を叩かせてもらうようになって幾日か日を重ねたある日、いろいろな人の釘整備後の盤面を見る機会がありました。ここでふと疑問が生じたのです。

この日は設置台数の多い新台入替の釘整備ということで複数の釘師さん達が現場に赴き、それぞれ分担作業で数十台規模の釘整備を終えました。ただ、AさんとBさんの釘整備は私から見て明らかに異なるのです。現場に入る前に打合せを行い、皆が同じゲージで作成すると話したはずなのに。

つづく


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